人格障害とは

人格障害は、昔は人格異常と言われていたものに該当します。人格障害とは、「Personality Disorder」(パーソナリティ・ディスオーダー)の日本語訳です。最近、人格障害と言わずに、パーソナリティ障害と言う場合も増えています。境界性人格障害も、境界性パーソナリティ障害も同じ意味です。また、英語のborderline personality disorderより、ボーダーラインBPDとも言います。

数多くある精神障害のひとつに人格障害も分類されます。その他の精神障害と比べて慢性的であり全体としての症状が長期に渡り変化しないことに特徴付けられます。視点を変えて言えば、人格障害は、性格が異状に偏り、社会生活に困難なものとも言えます。

 

 

人格障害の種類と分類

【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】3つのカテゴリと10種類の人格障害(パーソナリティ障害)よる人格障害の種類と分類です。

 

 

境界性人格障害とは

境界性人格障害は、対人関係で感情の起伏が激しく、自傷行為や自殺未遂を伴います。

なお、境界性人格障害と診断された人にも、軽症な人から重篤な人までさまざまです。この点は、ぜひ、間違えないようにお願い致します。

[補足] 境界性パーソナリティ構造

1967年カーンバーグ氏が、「精神病レベル」と「神経症レベル」の境界にあるということで「境界性パーソナリティ構造」の名のもとに理論化しました。現在の人格障害の分類では、「強迫性人格障害」と「回避性人格障害」をのぞく、他の人格障害は、この「境界性パーソナリティ構造」にあたります。「強迫性人格障害」と「回避性人格障害」は、境界ではなく、「神経症レベル」です。

このように、境界性人格障害のみが、「精神病レベル」と「神経症レベル」の境界ではありません。




境界性人格障害の症状

境界性人格障害の症状は、「人格障害の(パーソナリティ障害)の全般的診断基準(共通の診断基準)」「境界性人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準(301.83)【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】」を参照してください。


境界性人格障害の診断基準

人格障害(パーソナリティ障害)には、それぞれに診断基準というものが存在しますが、各類型ごとの診断基準に加えて「全般的診断基準」というものを満たさないと、人格障害があるとは言えません。つまり、まずは「この人は人格障害があるだろう」(=全般的診断を満たす)と思われ、次に「どのタイプの人格障害だろうか」(=類型ごとの診断基準)を見ていくのです。

人格障害の(パーソナリティ障害)の全般的診断基準(共通の診断基準)

DSM-IV-TRの人格障害(パーソナリティ障害)の全般的診断基準は以下の6項目からなります。

  1. その人の属する文化から期待されるものより著しく偏った、内的体験および行動の持続的様式。この様式は以下の領域の2つ(またはそれ以上)の領域に現れる。
    1. 認知(すなわち、自己、他者、および出来事を知覚し解釈する仕方)
    2. 感情(すなわち、情動反応の範囲、強さ、不安定性、および適切さ)
    3. 対人関係機能
    4. 衝動の制御
  2. その持続的様式は柔軟性がなく、個人的および社会的状況の幅広い範囲に広がっている。
  3. その持続的様式が、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
  4. その様式は安定し、長期間続いており、その始まりは少なくとも青年期または成人期早期にまでさかのぼることができる。
  5. その持続的様式は、他の精神疾患の表れ、またはその結果ではうまく説明されない。
  6. その持続的様式は、物質(例:乱用薬物、投薬)または一般身体疾患(例:頭部外傷)の直接的な生理学的作用によるものではない。
【出典】「DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引き 新訂版」(医学書院)


境界性人格障害(パーソナリティ障害)の診断基準(301.83)【DSM-IV-TR:アメリカ精神医学会】

対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式で成人期早期に始まり、さまざまな状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)で示される

  1. 現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとする気も狂わんばかりの努力。(注:5.の自殺行為または自傷行為は含めないこと )
  2. 理想化と脱価値化との両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる不安定で激しい対人関係様式。
  3. 同一性障害:著名で持続的な不安定な自己像や自己観。
  4. 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの。 (例:浪費、性行為、物質濫用、無謀な運転、むちゃ食い)
  5. 自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為のくり返し。
  6. 顕著な気分反応性による感情不安定性。 (例:通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな強い気分変調、いらいら、または不安)。
  7. 慢性的な空虚感。
  8. 不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難。 (例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかをくり返す)
  9. 一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状がある。
【出典】「DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引き 新訂版」(医学書院)

境界性人格障害の原因

色々な説がありますが、定説のようになっているものがあります。

生まれて間もない赤ちゃんは、自分で動くことはできません。同じ場所で寝ているか、母親に抱っこされているかです。母親にとって、自分が必要だと言う幸福感があります。ところが、そのうち、赤ちゃんは、ハイハイをしたり、ヨチヨチ歩きをしたりで、未知の世界に冒険に出ます。当然、赤ちゃんにとって、お母さん母親は、自分を応援してくれる人で、冒険にでることをうしろで見守ってくれ声援してくれる人だと思っています。

子供が成長し母親の自分自身から離れていくことが祝福できる母親の場合はよいのですが、赤ちゃんが自分の元を離れていくことを寂しく思う母親もいるのです。このような母親の場合、無意識にその気持ちが表情に出たり、意識的に隠れて子供を不安にさせたりします。

このように、自分から離れると見捨てるよと言うメッセージを母親が送ってしまうのです。見捨てられ恐怖が、境界性人格障害の行動の基本と考えると理解できるため、この説が定説のようになっています。なお、気がつかれたかも分かりませんが、この母親自身が、程度の大小は別にして、境界性人格障害の要素を持っているのです。母親が、赤ちゃんから見捨てられないように、色々な行動をしているからです。

上記以外では、遺伝的なもの、性的虐待なども言われています。また、虐待を経験しているという説もありますが、上記の母親との関係がもっと深刻になったものと思われます。

定説ではないですが、持って生まれた脆弱性に、環境などが関係したと考えるのが自然だと思います。これは、性格の形成から考えています。同じ環境で育っても、それぞれの性格は異なります。


境界性人格障害の治療と効果

準備中


境界性人格障害の書籍紹介

境界性人格障害に関連したお勧め書籍を紹介します。目次を掲載していますから、適切な本を選んでください。




境界性パーソナリティ障害は治せる! 正しい理解と治療法 (心のお医者さんに聞いてみよう)
  • 著者:市橋秀夫 (監修)、価格:¥1,365、出版社:大和出版
  • 内容(「BOOK」データベースより)
  • 対人操作、依存、攻撃、衝動的な行動、リストカット、性的逸脱、暴力、乖離。どんな病気?本人は何に苦しんでいるの? どんな治療を受けたらいいの?治療にゴールはあるの?正しい理解と治療法。気持ちや行動をコントロールする5つのLesson。

  【目次】


境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書)
  • 著者:岡田 尊司、価格:¥798、出版社:幻冬舎
  • 内容(「BOOK」データベースより)
  • 普段はしっかり者で思いやりのある人が、急に逆ギレする、わざと人を怒らせる、不可解な言動を繰り返す、それが境界性パーソナリティ障害だ。現代人に急速に増えているこれらの例は「性格」の問題でなく、れっきとした病。ある「きっかけ」で突然そういう「状態」になり、果ては場当たり的なセックスや万引き、自傷行為にまでエスカレートする。彼らの心の中では何が起きていて、何が問題なのか。理解しがたい精神の病を、わかりやすく解説。

  【目次】


境界例の治療ポイント
  • 著者:平井 孝男、価格:¥2,100、出版社:創元社
  • 内容(「BOOK」データベースより)
  • 「病気ですか?」「病名は何ですか?」「治りますか?」「いつごろ治りますか?」「原因は?」など、患者や家族の聞きたい五大質問にどう答えるか。逐語録による具体例を満載。

  【目次】


境界性パーソナリティ障害=BPD 第2版
  • 著者:ランディ・クリーガー、ポール・メイソン
  • 翻訳:荒井 秀樹、価格:¥2,940、出版社:星和書店
  • 内容(「BOOK」データベースより)
  • BPDをもつ人のまわりで苦しむ人々に、本書は障害への理解と、未来への希望を与えてくれる。ベストセラーとなった第1版に、著者の経験と新しい治療アプローチの解説等が加わった。実践的な援助、対処する際のコツが、専門知識のない読者にもわかりやすく書かれた最新版。

  【目次】



境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド
  • 著者:ランディ・クリーガー、監修:遊佐安一郎
  • 翻訳:荒井まゆみ、岩渕 デボラ、佐藤美奈子
  • 価格:¥2,835、出版社:星和書店
  • 内容
  • BPDをもつ人のまわりで苦悩する家族のために、本書は「5つのパワーツール」を紹介します。家族の人たちがBPDをもつ人からの非難を乗り越え、行き詰まり感をなくし、BPDをもつ人に話を聞いてもらい、自信をもって彼らとの境界を設定できるようになるための具体的な解決方法です。『境界性パーソナリティ障害=BPD』第2版と補完しあう内容となっています。

  【目次】


愛した人がBPD(=境界性パーソナリティ障害)だった場合のアドバイス―精神的にも法的にもあなたを守るために
  • 著者:ランディ・クリーガー、キム・A.ウィリアム-ジャストセン
  • 翻訳:荒井 秀樹、佐藤 美奈子価格:¥2,310、出版社:星和書店
  • 価格:¥2,310、出版社:星和書店
  • 内容(「BOOK」データベースより)
  • はれものにさわるような体験をしていませんか?虐待的な行動に直面していませんか?BPD(=境界性パーソナリティ障害)を持つ人の感情はいかに激しいか。本書は、BPDを持つ人に関わっている人たちに向けた「ハウツー」ものとして書かれたものである。

  【目次】


母に心を引き裂かれて―娘を苦しめる"境界性人格障害"の母親
  • 著者:クリスティーヌ・A.ローソン(Christine Ann Lawson)、翻訳:遠藤 公美恵、価格:2,625¥、出版社:とびら社
  • 内容(「BOOK」データベースより)
  • 「なぜ私を否定するの?」「どうして他のきょうだいばかり可愛がるの?」「私は生まれてこなければよかったの?」娘たちへ、苦しみを乗り越えるために。

  【目次】

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